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下請取引の適正化について
下請取引の適正化について
公正取引委員会及び経済産業省は、下請代金支払遅延等防止法(昭和31年法律第120号。以下「下請法」といいます。)
違反行為への厳正な対処を行うとともに、同法の普及啓発を行っております。
我が国経済は、景気の緩やかな回復基調が継続する中、中小企業の業況は緩やかな改善基調の中にも一服感が見られ、原材料価格の上昇や人手不足への懸念等、中小企業を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあります。こうした経済情勢を踏まえ、経済産業省は、親事業者(約21万社)等に対し下請取引の適正化等について要請します。
具体的には、下請代金支払遅延等防止法の遵守、金融繁忙期の下請事業者の資金繰りへの配慮、適切な取引価格の決定、消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保等を要請しています。
経済の好循環を実現するには、下請等中小企業の取引条件を改善していくことが重要という問題意識の下、政府を挙げて下請対策の強化に取り組んでおり、平成28年12月には、
①違反行為の未然防止や事業者による情報提供に資するよう、下請法に関する運用基準を改正するとともに、
②親事業者による下請代金の支払についても
○下請代金の支払は、できる限り現金によるものとすること
○手形で下請代金を支払う場合は、割引料を下請事業者に負担させることがないよう
下請代金の額を十分に協議すること
○手形サイトは、将来的に60日以内とするよう努めることを旨とした通達を発出した
ところです。
政府を挙げて働き方改革を推進しておりますが、取引の一方当事者の働き方改革に向けた取組の影響がその取引の相手方に対して負担となって押し付けられることは望ましくないと考えられます。
人手不足の深刻な中小企業の経営悪化が懸念される中、極端な短納期発注等は、取引先における長時間労働等につながる場合があり、下請法等の違反の背景にもなり得ますので特に後留意いただきたいところです。
平成30年7月豪雨や北海道胆振東部地震のほか、台風等による災害も発生しており、被災地域における事業者との取引のある全国の事業者に影響が広がっております。災害等の発生を理由として、下請事業者に一方的に負担を押しつけることにより、取引のある経営基盤の弱い中小企業・小規模事業者に悪影響を与えることのないよう要請いたします。
平成31年(2019年)10月1日から消費税率が、8%から10%に引き上げられると同時に、消費税の軽減税率制度が実施されます。減額や買いたたき等による消費税の転嫁拒否等の行為が生じないよう、周知徹底するよう要請いたします。
このような取引環境を御理解いただき、下請事業者と協議をした上で適切な対価の決定を行う、事前に定めた支払期日までに下請代金を全額支払うなど、下請法の遵守に取り組むよう御協力をお願いいたします。
下請取引を行うに当たって、親事業者は、下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」という。)に従い、下記事業に遵守しなければならない。
1. 親事業者の義務
(1) 書面(注文書)の交付及び書類の作成・保存義務
(2) 下請代金の支払期日を定める義務及び遅延利息の支払義務
2. 親事業者の禁止行為
(1) 受領拒否の禁止
(2) 下請代金の支払遅延の禁止
(3) 下請代金の減額の禁止
(4) 返品の禁止
(5) 買いたたきの禁止
(6) 物の購入強制・役務の利用強制の禁止
(7) 報復措置の禁止
(8) 有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止
(9) 割引困難な手形の交付の禁止
(10) 不当な経済上の利益の提供要請の禁止
(11) 不当な給付内容の変更・やり直しの禁止